東洋大学校友会報266号
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TOYO UNIVERSITY ALUMNI ASSOCIATION●26621平成27年度 哲学堂祭を挙行平成27年11月7日(土)、東京都中野区の哲学堂公園で、哲学堂祭が挙行され、大学関係者や校友、一般の方々など約100名が出席しました。哲学堂祭は、東洋大学の創立者井上円了の遺言にもとづき、毎年11月の第1土曜日に行われているものです。午前10時から隣接する蓮華寺において墓前祭を行った後、哲学堂公園内の四聖堂に移り哲学堂祭が執り行われました。四聖堂には、井上円了が「四聖」として崇めた孔子・釈迦・ソクラテス・カントが祀られており、毎年これらを順番に取り上げた記念講演を宇宙館で行っています。今年度は「釈迦」をテーマとして、午前11時から伊吹敦教授(文学部東洋思想文化学科)により「ブッダから禅へ―仏教の本質と意義」と題して行われました。ライフデザイン学部開設10周年記念式典を開催平成27年11月25日(水)午前10時から、学部開設10周年を迎えた東洋大学ライフデザイン学部を記念する式典が埼玉県の朝霞キャンパス講義棟で行われました。主催者挨拶および来賓の富岡勝則朝霞市長のご祝辞後、白石ライフデザイン学部長から、同学部のビジョンを踏まえた「未来宣言」が述べられました。基調講演会として、木村敬一氏(北京・ロンドンパラリンピック競泳競技日本代表、リオデジャネイロパラリンピック競泳競技日本代表内定)より「夢への努力は今しかない!」と題してご講演いただきました。引き続き、記念シンポジウムが開催され、「本格的な少子高齢社会の到来とまちづくり―ライフデザイン学の実践を探る」をテーマとしたパネルディスカッションが行われました。記念式典に先立ち、朝霞市と学校法人東洋大学との連携協力に関する包括協定が締結されたことにより、今後ますますの連携協力が推進されていくことになります。TOYOUNIVERSITYCAMPUSNEWS『JAPANESE TALES from TIMES PAST』今昔物語集【英語版】 ブルース・アレン、 郡山 直(東洋大学名誉教授)共訳 (タトル出版 2015年8月)※この欄は、ご寄贈いただいた校友や 大学関係者の編・著書を紹介しています。《 書 評 》本書は、『今昔物語集』から九十篇を選んで英訳したものである。訳者の一人は英語詩を書く詩人で、日本の現代詩の英訳者としても著名な郡山直本学名誉教授である。定年後、故郷の奄美大島の島唄の英訳をはじめ、日本の現代詩の英訳を世界に発信している。『今昔物語』は、十二世紀初頭から十五世紀中葉までに成立した著者不明の説話集で、インド、中国、日本の仏教説話と世俗の民話が集められているが、主人公が庶民であるところに特徴がある。ハーバード大のソーンバー教授の「はしがき」によれば、英訳は数種あるが、郡山・アレン訳には先行の訳書に載っていない物語も選ばれていて、先行書を補完しているとのこと。外国の日本文学・日本文化研究者、比較文学研究者のよき手引書が誕生したといえる。「久米の仙人」、「道成寺の鐘と白蛇」等の民話や歌舞伎の演目として今日に伝わる物語を平易な英語で読むと原典が読みたくなってくる。愉しい読み物である。三浦安子(東洋大学名誉教授)

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