東洋大学校友会報 No.267
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TOYO UNIVERSITY ALUMNI ASSOCIATION●26715校友岡田 崇 おかだ たかし福祉の現場で相談者の役に立ちたい校友三島 憲治 みしま けんじ 昭和47年3月法学部経営法学科卒業4月八丈町役場入職平成19年3月    〃   退職23年2月東京都里親認定登録25年5月保護司26年7月八丈町社会福祉協議会理事27年4月東京都総務局八丈支庁一般職非常勤職員和22年生まれの世代が、大学進学を迎えた昭和40年代。当時は、一浪、二浪は当たり前のことで、わたしも神田三崎町の予備校・研数学館に高校生のころから通っていて、浪人を経て43年東洋大学に入学しました。校友会の皆さん、覚えていますか。2階建てで建築現場事務所のような建物。この教室で教育原理の講義を受けたことと、44年の冬晴れの1月、東大の上空をヘリが慌ただしく回っているのを(安田講堂事件)、当時の1号館校舎の最上階160番教室から見たことを覚えています。在学中はサークルなどにも入らず、大学と練馬の実家を往復する4年間でした。卒業は47年3月で、4月に東京の南、八丈島の町役場に入職し、平成19年3月に退職しました。退職から8年が経過した平成27年3月、本島の東京都総務局八丈支庁総務課が生活困窮者自立支援のための支援員を募集したので、相談に来る人の役に立ちたい、の思いで応募し試験を受けました。運よく採用となり、4月から福祉係に一般職非常勤職員として、月16日間勤めています。この生活困窮者自立支援事業は、厚生労働省の所管で、4月から全国の福祉事務所、社会福祉協議会、自治体などが相談の窓口となり、生活保護に至る前の段階で対応に当たっているものです。事業のねらいは、誰もが生活困窮に陥るかもしれない恐れのある社会の中、生活に困窮している人が自立するための支援を行っていくものです。生活に困窮している人は、経済的な問題だけでなく、心身の問題、家庭の問題などさまざまな問題、不安を複合的に抱えています。具体的には、長く失業している人、ひきこもりやニート(働こうとしていないし、学校にも通っていない、仕事に就くための専門的な訓練も受けていない)で悩んでいる人、働いた経験がなく不安な人などがこの事業の相談等の対象となります。これら相談者の自立支援のための事業項目は、①自立相談支援、②住居確保給付金の支給、③就労準備支援、④認定就労訓練(いわゆる「中間的就労」)、⑤一時生活支援、⑥家計相談支援、⑦子どもの学習支援、その他生活困窮者の自立の促進に必要な事業となっています。この事業のうち、①と②は必須事業で、③から⑥は任意事業となっています。八丈島は、必須事業のうち予算の都合上、自立相談支援を行っています。相談の内容は、健康上のことや債務の返済、また、失業によって働く意欲があっても次の仕事に就くことができず、結果、生活苦になっていくなど、不安要素が複合的に連動しているのが大半です。現在、八丈島の人口は約8000人で、このうち65歳以上は約3000人、高齢化率は37%を超えています。福祉係は、4月から始まった自立相談支援をより充実していくため、10月から民生児童委員や関係機関との連携から、生活困窮と推測される人、高齢者への健康状態など声かけを含めて訪問相談を行っています。職場は、親子ほどの年齢差がある中、皆さん親切です。仕事は、来庁相談と訪問相談の記録作成と就労支援への情報提供などです。わたしは、この分野での仕事は初めてで、いま、福祉の現場、最前線を感じています。と同時に、相談の対応で、法と法の組み合わせや関連する知識の習得など、この先やるべきことを実感しているところです。昭

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