東洋大学校友会報 No.274
2/24

2TOYO UNIVERSITY ALUMNI ASSOCIATION ● 274羽島会長 本日は、お忙しいところお越しいただき、誠にありがとうございました。酒井監督には、校友会のいくつもの支部総会でご講演をいただいており、大変感謝しています。 まずは今年1月2日・3日の第94回箱根駅伝を振り返って、監督の思いなどを伺いたいと思います。10年間3位以内を達成酒井監督 第85回大会は、5区の柏原竜二選手の活躍で往路・復路ともに制し、過去67回の出場で初めて総合優勝を果たしました。翌年から私は指揮を執っていますが、一度優勝すると期待されることは、やはり優勝です。初優勝後の10年間は優勝のための戦術をいかに取るかが課題となりました。 前年度の第93回大会も2位でしたが、4年生が主要区間を走っていて、特に往路は服部弾馬選手を含めて4年生が4人いました。その選手たちが卒業してしまったこと、絶対的な学生エースと言われる選手が不在になってしまったこと、選手層が薄いことなど、非常に危機感のあるシーズンインでした。ですが、第91回大会の3位以外は、1位、2位で来ていますので、今回は箱根から世界へ最低でも10年連続3位以内を達成することと、次にもう一度東洋大学の黄金期を作るための布石を打ちたいと考えていました。会長 オリンピックでは金・銀・銅のどのメダルも誉めそやされるのに、箱根駅伝は1位だけがT‌Vなどでも特に注目されている点はどうかと感じています。毎年、出場校の順位に大きな変動があるなかで継続して3位以内をキープしているのは圧巻です。酒井監督 学生スポーツなので、勝ったり負けたりは繰り返すものです。今回出場できなかった大学には、伝統校もけっこうあります。東洋大学は、出場回数では4番目に多い大学です。「世界へ」をキーワードに会長 今回は、1、2年生が活躍しました。これも酒井監督の英断だと思います。以前、卒業する選手だから無理しても出場させるという話を聞いたこともあります。初出場の1、2年生には来年は経験者としての活躍が期待されます。次回の箱根駅伝についてどのように考えておられますか。酒井監督 もちろん、やるからには総合優勝をねらっていかなければなりません。ただ、われわれは箱根駅伝に勝つことだけを考えているのではないのです。実は東洋大学は、実業団に進む選手が非常に多く、就職後も一線級で活躍し続けていくための基礎的部分も併せて作るようにしています。そうすると、自ずとレベルの高いことをするので、優勝をねらうチームにもなっていくのです。設楽悠太選手は、日本陸上界のエースに成長しています。東京オリンピックもあります。東洋大学のスタンダードが日本陸上界を引っ張っていくぐらいの気持ちでいます。事実、リオオリンピック出場の大学別人数では、体育大学でない東洋大学が一番多いのです。競歩では、西塔拓己選手に続き、松永大介選手が現役学生でオリンピックに出場しました。日本陸上界の競歩はいま、世界と勝負できる種目です。この強化部長も東洋大学の卒業生である今村文男氏が主になってやっています。われわれは「世界へ」というキーワードを掲げており、駅伝でも優勝するし、実業団に入ったら長距離も競歩も世界と勝負できる選手を作ることが、いま東洋大学がやるべきことだと思っています。 教員を目指す学生も多いので、指導会長対談羽島知之会 長酒井俊幸陸上競技部長距離部門監督

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る