東洋大学校友会報 252号
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いま学生全力疾走一期一会王おう 宇う龍りゅうメディアコミュニケーション学科3年東洋大学留学生連合会会長 20代の中国人にとって、日本は憧れの観光地だと言える。小さいころから、日本のアニメやドラマから大きな影響を受け、また日本製の商品に魅せられた中国の若者にとって、一番見たい、行きたいところは、やはり「日本」であろう。私もそのうちの一人であった。 2008年の春、私は短期の留学生として日本にやってきた。それは、私にとって初めての一人での国外暮らしのはじまりであった。 国外で生活することは心配であったが、楽しみにもしていた。私にとって、見るものや聞くものはすべてが珍しかった。もちろん、最初は異文化適応の問題があった。しかし、3か月ほどで次第に自立できるようになった。そして、さまざまな活動に参加したり、新しい友達ができたり、いろいろなところを見学したり、毎日が非常に充実した留学生活を過ごした。 本格的な留学生活が始まったのは、2010年に東洋大学に入学してからである。大学は、ただ勉強だけをするところではなく、いろいろ自分がやりたいことをやればいいところだと考え、東洋大学留学生連合会という留学生の組織に入った。 ここに入ってから今年までの3年間、新入生歓迎会から年末交流会までの行事の中で、また、一般役員から会長に就任する中で、学んだことはもちろんいっぱいあり、人脈も広がった。特に、今年、留学生連合会が主催した新入生歓迎会には250人もの方々に来ていただき、大きな交流の場となり、ネットワークともなった。自分の成長を感じ、達成感を得ることができた。 昨年3月11日に東日本大震災が起こってから、募金活動をやってきた。今年も日本の外務省の奨学金をいただき、震災後の復興へのボランティアをやろうと思っている。„ひとりではない、みんながいる〝という気持ちで。 来日してから、よく日本の友人に„日本の好きな言葉はなんですか〝と聞かれる。私は、「一期一会」という言葉が好きである。「一期一会」というのは、お茶会の心得から来た言葉である。お茶会では、すべての客を一生に一度しか会えないものとして、悔いのないように心をこめてもてなしなさい、と教えているのである。 つまり、人との出会いは一生に一度しか起こらない。将来同じことが起こる可能性はめったにあるものではないから、刻々と過ぎてゆく時間と同じで再生できないし、もし2回目があったとしても、前と同じものとは言えないだろう。 異文化の交流とか、いい思い出を作るとか、新しい場所へ行けることとか、それはそれで素晴らしい。けれども、それだけではなく、もっと深く考えると、日本各地で学ぶ留学生たちの国際交流イベント「ジャパン テント」のような催しの意義は、この「一期一会」ということにあるのではないかと思う。 たった一度の出会い。あの時会った人たちとはもう二度と会わないかもしれないが、私にとって貴重な経験であった。世界のことをいろいろ知ることができ、私は大きく視野を広げることができた。 日本でやったことと、出会った人々のことは一生忘れない。これからも「一期一会」という言葉を忘れずに、私の人生で出会う人や出来事を大切にしていこうと思っている。宮城県東松島でのボランティア風景24TOYO UNIVERSITY ALUMNI ASSOCIATION ● 252

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