東洋大学校友会報 No.254
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  TOYO UNIVERSITY ALUMNI ASSOCIATION●25429刊行に際して佐藤  厚 本書は、井上円了先生の主著『仏教活論序論』の現代語訳です。円了先生は哲学館を創設した明治20年に本書を公にされ、国を思い、真理を愛し、そして仏教を改良していくことが、日本のためになることを力説しておられます。 私は昭和61年に本学の印度哲学科に入学しました。私には初めから円了先生の思想を知りたいという気持ちはあったものの、当時の学力では手に負えませんでした。大学院博士課程を終えた後、非常勤講師を拝命し日本仏教史を担当しました。この時、本学は円了先生が作った大学であるから円了先生の思想も講義しなければと思い、本書の勉強を始め、それをもとに授業を行いました。しかし原文は文語体のために読解が困難で、思想も哲学や仏教の用語が頻出するため、学生からは「難しい」という反応が寄せられました。そこで本書を読みやすくする必要性を感じ、現代語訳を思い立ちました。 私は訳を進め、その思想に触れるにつれて、円了先生の熱い思いと深い知性とが蘇ってくるのを感じました。やがて、これを広く世の人々に知ってほしいという思いに駆られるようになりました。折しも今年は本学の創立一二五周年という記念すべき年です。そこで昨年、印度哲学科の同窓生である本間信久君が勤める大東出版社に企画を提案し、幸いにも快諾を得て刊行の運びとなりました。巻頭言は、学部以来お世話になり、私に東洋魂を注入していただいた菅沼晃先生に頂戴いたしました。 校友会におられた飯塚勝重先生は、本書を「東洋大学のバイブル」と表現されました。全く同感です。本書には30歳にならんとする若き円了先生の魂が込められています。それは、いわば東洋大学を生み出した原動力といっても過言ではないと思います。校友の皆様方におかれましても、本書によって円了先生の熱い思いを味わい、深い知性を堪能するとともに、東洋大学校友としての誇りを新たにする一助となれば、これに過ぎる幸いはありません。(2012・11記)著書彩々『生活雑記―回想ノート』  山下 袈裟男著(昭30院修社会)         東洋大学名誉教授(川島書店 2012年10月)『ふる里の味噌はよき味噌 ―斎藤茂吉の〈食〉の歌』鮫島 満著(昭43院修国文)(いりの舎 2012年11月)『現代語訳 仏教活論序論』井上 円了・著佐藤  厚・訳(平10院博後仏教)(大東出版社 2012年10月)W・B・イェイツは、20世紀を代表するアイルランドの詩人、ノーベル文学賞受賞者で、日本の伝統芸能である「能」の影響を受けたことでも知られており、ドナルド・キーン東洋大学名誉博士により「日本文化とW・B・イェイツ」と題して講演が行われ、続いて「W・B・イェイツと井上円了の世界」をテーマとしてシンポジウムが開催されました。、参加者は約400名でした。東洋大学125周年記念館の概要125周年記念館は、地下1階・地上8階建てで、大きな開口部から外光が差し込むエントランス空間は、透明感のあるアトリウムとなっており、外に開かれた大学を象徴しています。中2階を含めた10フロアおよび地下1階・地上2階建ての事務棟は、学生・教職員・卒業生・一般の方々の利用目的、利用時間、動線を予測し、機能的な配置を実現しています。また、旧白山通りと記念館の間には、緑豊かな木々が並ぶオープンスペースを設置。歩道に沿って地域に開放されたものとなり、一般の方々も自由に行き来できるようになっています。

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