東洋大学校友会報256号
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12TOYO UNIVERSITY ALUMNI ASSOCIATION ● 25613.5級 行間251行17字×1段29行×4段=1P1972字映画、その魅力校友菅井 六花枝 すがい ゆきえ岩手県宮古市生まれ昭和45年3月社会学部応用社会学科卒業 編集プロダクション勤務後、フリーに 以後、フリー編集者・コーディネーター 映画鑑賞サークルを立ち上げ、女性監督作品を中心に紹介する冊子『フィルムが紡ぐ女たち』編集 現在、シネマナビゲーターとして映画紹介や上映会をコーディネート 校友会城南支部広報担当画が誕生して100年余り(東洋大学は昨年で創立125年ですから映画より先輩です)。文学や音楽、絵画や彫刻に比べると新しい芸術です。団塊世代にとっては、映画全盛時代で映画館はいつも満員状態。時代劇や任侠もの、アクションや文芸作品など洋画・邦画とも様々なジャンルの作品が2本立、3本立で上映され、映画スターは憧れの存在でした。各家庭にテレビが普及し、娯楽の多様化、レンタルビデオ(!)・DVDの出現で、一時期、映画人口(映画館入場人口)が激減し、映画の危機とも囁やかれました。しかし逆にテレビと映画、レンタル鑑賞が相互に影響し合い、映画の魅力が再認識され、消滅しませんでした。映画の魅力(チカラ)は健在です。別の人生を擬似体験できる暗い映画館の中で、スクリーンに投影される映像は手で掴むことはできません。でもスクリーンには登場人物たちの喜怒哀楽、人生が描かれます。自分とは違う、時には自分に似ている作品で、一種の疑似体験ができるともいえるでしょう。作品によっては未来を予見するものもあります。加えて、物語や俳優の演技はもちろん、衣装・美術・町並みなど、綿密な資料・調査を基に製作された映像は、時・空間を旅した気分にさせてくれます。特に、外国映画は自分たちとは違う人々の暮らしを見せてくれます。総合芸術としての映画映画が総合芸術といわれるのも魅力のひとつ。監督はじめ脚本、撮影、録音、編集、音楽・美術など多くの作業(現在ではコンピュータ操作も)が、チームワークで積み上げられていきます。エンドロールを見て驚くのはその人数の多さ。大作では優に100人を超えるスタッフとキャスト。その人たちを束ねる監督とプロデユーサーの苦労はいかばかりか。各々のプロの職人たちが自分の仕事に誇りと責任を持ち、なお全体を総合して出来上がっていく、まさに総合芸術としての魅力。時代を映す鏡また「映画は時代を映す鏡」ともいわれます。旧作には往時の暮らしや世相が映し出され、近作では複数の国が舞台となる作品もあります。変化流動していく家族や社会、時代を見せてくれ、まさに「世界は影響し合って動いている」を実感します。深刻な社会問題を扱った作品や、障害を乗り越える勇気ある生き方、最近では中高年女性やシニアをテーマにした作品も増えています。観た後、余りの重いテーマに落ち込むこともありますが、逆に勇気・元気・活気をもらえる作品も多くあります。例えば、この夏公開『クロワッサンで朝食を』(フランス映画)では85歳のジャンヌ・モローが健在ぶりを見せてくれます。高齢で出演している俳優たちをみると、年齢を重ねることも悪くないかなと思います。とはいえ、どんな作品を観るかは各人の自由。観客一人ひとりが自分の基準(監督、俳優、製作国、ジャンル別など)で作品を選び、好きな見方をすれば良いわけです。映画は好きだけれど、自宅でテレビ放映やDVD、ネット配信で観る方も多いことでしょう。ですが、たまには時間を見つけて映画館で鑑賞してはいかがでしょうか。60歳以上のシニア料金が1000円というのも有難いですし…。映

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