東洋大学校友会報260号
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いま学生全力疾走20TOYO UNIVERSITY ALUMNI ASSOCIATION ● 260偏見のない開いた心で、お互いの違いを認めて、お互いを知り合うこと姜 世暻(カン セギョン)   福祉社会デザイン研究科     社会福祉学専攻博士前期課程2年私は韓国からの留学生で、現在、大学院福祉社会デザイン研究科に在籍しています。「いま学生全力疾走」というコーナーを借りて、私の日本への留学の背景についてお話させていただきたいと思います。私の留学には、 二つの大きな目標があります。一つ目は留学を通じて自分自身が成長できる機会にすること、二つ目は日韓両国において、良好な関係を維持し、文化交流などに微力ながらできることがあれば貢献すること、いわゆる「小さな民間外交」に貢献することです。ここでは、二つ目の目標についてお話しさせていただきたいと思います。日本では、何年か前から「韓流」という言葉が新しくできるほどのブームが起き、日本と韓国は一気にお互いの距離が縮まりました。そのことがきっかけとなり、逆に日本の文化も韓国にどんどん入ってくるようになりました。いわゆる日韓同士の文化交流の大きな土台が形成され、日韓の関係も良好に維持することが可能になったのです。ところが最近、国内外の政治的影響で、以前ほど両国の関係は活発ではなくなり、日韓関係がかなり冷え込んでいる状況が続いています。しばしば、日本と韓国は「近いながら遠い国」と言われています。色々な意味で日本と韓国の関係がその言葉に近いと個人的には考えますが、日本と韓国はお互いの文化も、育った環境も、受けた教育も異なるので、お互いの考え方が異なるのは当然なことです。しかしながら、その考え方の違いから生まれる誤解は、お互いコミュニケーションを通じて解消できる部分も少なくないし、今後の日韓関係においてもさまざまな形のコミュニケーションが重要な役割を果たしてくれるはずだと思います。日韓の関係の改善や良好な関係の維持のためには、コミュニケーションが不可欠です。国家レベルのさまざまな戦略だけではなく、場合によっては個人レベルの付き合いから民間交流会、セミナーなどでお互いを知りあうことがもっと強力な力になると思います。まるでバタフライ効果(Buttery Eect)のように小さな動きが、大きな影響を与えることもよくあるからです。何年か前、日韓交流会の中の日韓料理会に参加していましたが、そこで気づいたことを皆さんにお話ししたいと思います(埼玉県大宮での日韓交流会で、最初は日本と韓国の参加者が中心でしたが、後には中国、アメリカなどいろいろな国籍の人も参加するようになりました)。その日韓料理会は、日本と韓国の料理を参加者全員で作って食べる交流会で、参加者の国籍は不問でした(もちろん、料理が成功する時も失敗する時もありました)。料理を通じた交流会だったので、お互い違和感なく交流することができて皆が笑顔で楽しむことができました。国籍が違っても交流が続いている間に、お互いに仲間意識をどんどん築いていくことができて、それを基にして、お互いの信頼感が蓄積してくることも感じました。それは私だけではなく、交流会に参加していたほとんどの人が感じていたと思います。すなわち、皆と仲間になれるのは国籍や育った環境等ではなく、「偏見のない開いた心」だということに気づきました。私の経験から考えると、偏見のない開いた心があれば、相手と自分の違いは当然なことであり、それから、お互いのコミュニケーションを通じて、その違いが少しずつ理解できるようになりました。こういう経験を通じて、来日前の私の中での日本人や日本という国と、来日後に自分で経験した日本人や日本という国は確かに違うのです。この交流会は私にとってはかけがいのない経験であり、今でも常に偏見のない開いた心を持つようにしています。これから近い将来の主役になる私たち若者が、日韓同士で友情を育み、東アジアの平和、それから世界平和にまで貢献しなければなりません。お互いを理解することは簡単ではありませんが、一方的に「反日」、「反韓」を主張するよりは、お互いの違いを知る努力をすることが重要だと思います。私は、平和は、コミュニケーションから始まると思っています。「偏見のない開いた心で、お互いの違いを認めて、お互いを知り合うこと」が平和に向けた第一歩であると思います。私たち自身の小さな関心だけでも、世界は少しずつ変わるということをみんなで証明しましょう!!!

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