東洋大学校友会報262号
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6TOYO UNIVERSITY ALUMNI ASSOCIATION ● 26213.5級 行間251行17字×1段29行×4段=1P1972字東洋大学相撲部の創部期を振り返って校友上野 保男 うえの やすお昭和12年6月 北海道大樹町生まれ昭和35年3月 法学部法律学科卒業昭和35年4月 千葉県入庁/39年3月 習志野市役所入庁昭和47年4月 帯広市役所入庁校友会十勝支部第7代支部長現在 帯広市社会福祉協議会評議員・社会福祉法人弥生福祉会理事帯広相撲連盟理事長 など洋大学相撲部の創部は、私が昭和33年5月に大学本館前掲示板に、相撲部立ち上げ・発起人募集の張紙をしたところ、高知県出身の浜田氏(経済学部)、東京都出身の中沢氏(法学部)、新潟県出身の加藤氏(文学部)、佐賀県出身の松本氏(文学部)等が名乗り出られて、直ちに学生食堂で初顔合せと創部準備の打合せを行ったのが第一歩でした。まずは、当時の学生課長四元先生のもとに全員で挨拶に行き、創部立ち上げの趣旨を説明して対外的な諸々の準備に入ったのです。また、四元先生の指示により、学生係長であった分銅先生に監督として就任してもらい、大学側とのパイプを結んだのです。当時全国の大学で相撲部があったのは、三十数校くらいではなかったかと記憶していますが、全国大学相撲連盟の協力と指導が欠かせないため、私が初代主将となり副将に松本氏をお願いして一応体制を整え、当時連盟事務局があった御茶ノ水の岸記念体育会館へ行き、創部挨拶と協力方を依頼したのです。事務局には、立教大学相撲部の主将とマネージャーが常駐しており、快く受け入れてくれ、当時の全国トップ校であった東京農大、駒澤大、日本医科大を指導校として紹介されたのでした。特に駒澤大学には、土俵開き時や練習要領等を細かく指導していただき、身に余る親切さを感じました。また、総監督を引受けてくださった土屋文学部教授は、当時花籠部屋の杉並地区後援会長であった関係で、私と松本氏を連れて花籠部屋の大ノ海親方に紹介してくれ、この縁で花籠部屋より部屋付の玉瀬親方が部指導のため派遣されてきたのでした。土俵造りと諸々の資金対策には、幾多の苦悩が伴い、連日授業そっちのけで遅くまで駆けずり回ったことが思い出されます。とりあえず、相撲部として正式に立ち上げなければならず、土屋総監督、分銅監督、発起人になった5人の学生が連日打合せを行い、33年11月3日に立ち上げ日を設定して、校舎北側に仮土俵を造り、東京農大、駒澤大、日本医科大、法政大の協力のもとに発部式を行ったのでした。この一年目は、一応部としての型だけを整えて終わったのです。二年目に入った34年には、正式な土俵の設置と資金対策および大会出場への体制作り等がありました。資金面の確定には並々ならぬ苦労が伴い、大学庶務課長の水越先生に連日お願いし、何とか資金面のメドがつき、大学側を通じて土俵の設置を進めていきました。そして、土俵の完成をもって対外的にご披露する準備に入り、当時東洋大学では全国高校長研修が例年行われており、その日が5月30日であったので、これに合わせて行うことになったのです。当日は、花籠部屋所属で横綱若乃花(初代)一行の協力を得るべく、土屋総監督を通じてお願いし、横綱はもちろんのこと、小結若三杉、前頭若の海、十両若十勝の各関取以下21名の参加を得て、横綱の土俵入りをしていただき、相撲部の土俵開きに花を添えてもらったのでした。この時、土屋総監督と私が創部のご挨拶を申し上げたところ、盛大な拍手をいただき、あの時の光景は今日に至っても想い出されてなりません。私は法学部ですので、文学部教授の土屋総監督とは面識はなく、その出会いは四元先生の紹介ですが、土屋総監督の創部に対する熱意は素晴らしいものでした。私も何かと力強いご指導をいただき、今日の私の人生に大きなプラスになったことは、感謝に耐えないところです。創部発起人募集の張紙を私一人で作り、大学の掲示板に張り出したことが、今日全国大学のトップ校に位置することになるなど、当時の私には全く想像できませんでしたが、創部二年目にしてやっと全国大会、東日本大会、靖国神社奉納大会に出場することができて、35年3月に発起人全員が社会に出たのです。創部56年目を迎えた今日、当時の足跡を知る者は、喜寿を迎えた私以外現存しておらず、全員鬼籍に入られてしまい、心よりご冥福をお祈りする次第です。今日の東洋大学相撲部が、学生横綱を輩出し、また立派な相撲場を持ち、全国大学相撲部の強豪校として活躍している姿は、私には幻想の世界に等しいのですが、これも偏に大学当局の深い理解のもと、田淵元監督や濱野現監督、後輩諸氏の弛まぬ努力の成果であることは言うまでもありません。その相撲部は、既述の流れの中で始まったのであり、当時を語れるのが私一人になってしまったことに一抹の寂しさを感じています。どうぞ校友の皆様方、相撲部の生い立ちに目を通され、活躍中の相撲部に対し、さらなる応援とお力添えをくださいますようお願い申し上げ、56年前の回顧といたします。(26・11・25記)東昭34. 5. 30東洋大学相撲部土俵にて 若乃花の土俵入り

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