東洋大学校友会報『哲碧』 No.280
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新しい生活様式に期待いわき方部会 部長 高橋 登喜雄 新型コロナ禍の感染恐怖から逃れられない日常の生活は、今後どうなっていくのだろうという不安は募るばかりである。 政府の提唱している「新しい生活様式」を真剣に考えるこの頃である。勿論、家族も含め、知人・友人との関係や家族間の食事の形態、外出や外食を考えたとき、受け入れ側のとらえ方、店舗の座席配置などの配慮の徹底も現状では相当の格差が感じられる。ワクチン予防接種の順番待ちも、日々歯がゆさを感じつつの昨今である。4月4日朝のNHK日曜討論会でも個々人の工夫と努力に期待していると結んでいる。 ところで、福島県民の最大の関心事は原発の大量の汚染水処理の行方であろう。これはトリチュームの処分方法である。海洋放出か、自然蒸発を待つか、国民全体いや、全世界の人々の理解が得られるか、人類の存命にかかわる難問題であろう。 一九六〇年代「エネルギーの夢の実現」という絶大な人類の期待を担って国をあげての原発事業のスタートであった。しかし、二〇一一年三月十一日の未曾有の東日本震災における原発事故の復興は、あまりにも進行が遅い。帰還困難区域は依然として解決せず、10年経っても避難先から帰宅できない家族の多さに驚く。 一方、原発の周辺地域には新しい企業が設置され、人口増の施策が顕著に見られる。また、4月から地元漁業団体はこれまでの試験操業から全面操業に切り換えられたとの報道に、若干の不安をかかえながら受け止めている。3月25日には東京オリン目指せ!2度目の甲子園胴上げ投手岡部 和雄(昭57年卒・経済)  令和2年9月10日大安吉日に、硬式野球部の村上頌樹投手(智弁学園)は、プロ志望届を提出しました。村上投手は、智弁学園の3年の春に出場した選抜高校野球大会で全国制覇を果たしました。東洋大学入学後は、上茶谷・梅津・甲斐野の3大投手の存在があり、なかなか登板の機会がありませんでした。しかしながら、3年生になりエースとして大活躍をしました。1m74㎝と大きな投手ではありませんが、最速149㎞の回転数の多いストレートを武器に東都大学の強打者をキリキリ舞いさせました。マウンド上の村上投手は、テンポの良い正にちぎっては投げの昭和・平成の大投手である稲尾、江川、桑田を思い出させるマウンドさばきでありました。4年になり、ケガにより力を発揮することができませんでし第97回 箱根駅伝観戦記福島 達夫(昭和50年卒・商学) 第97回箱根駅伝は、コロナ禍の中、沿道での応援自粛という異例の大会となった。このなかで母校は全選手が一丸となり、素晴らしい走りで往路2位、総合3位となり、目標の「3位以内」の「定位置」復帰を果たした。 今年の東洋大学は若い選手が躍動。1年、2年で5名と半分を占めた。レースを振り返ると、1区を走った児玉選手が先頭と24秒差でタスキを渡し2区へ。各大学のエースが集う「花の2区」は1年生松山選手を起用、他校のエースに怯まず4人を抜き区間4位で流れを引き寄せ、以降3区前田選手、4区吉川選手、5区は前回区間新記録を出した宮下選手へと繋ぎ、往路2位でゴール。 そして、翌日の復路、最初の2区は気負いの為か苦戦するものの、8区野口選手、9区小田選手は共に4年生で3大駅伝初出場。4年間コツコツと努力を重ねた「苦労人」が東洋らしい粘りの走りで順位を押し上げ、最終10区清野選手と青学大との3位をかけた一騎打ちには同輩たちも固唾を呑んで見守っていたのではないだろうか。一時は4位になりながら驚異の粘りを見せ、最後は再逆転で3位を死守。正に東洋大の象徴。これで東洋大が初優勝した第85回(平成21年)からの13年間で12回の3位以内は隠れた大記録。「区間新記録順位(その区間を何位で走ったかをいう)」で見ると、箱根駅伝は10区のレース、13年間では130区間となり、9位以内の「1桁順位」は110回、内61回が3位以内という安定した走りが成たが、阪神タイガースのスカウトの目にとまりドラフト5位の指名を受け、甲子園のマウンドに再び立つことができます。 私は、一昨年の全日本大学野球選手権大会で、昨年広島カープに入団した森下投手(明治大学・新人王)との投げ合いを観戦することができました。精度の高いストレートを投げる森下投手と、分かっていても打てない村上投手との投手戦は息詰まる一戦でした。残念ながら試合は敗れましたが、おそらくこの試合を私と同じような目線で見ていた阪神タイガースのスカウトが指名の決め手になったと思います。 10月31日、硬式野球部合宿所に阪神タイガースの吉野スカウトが挨拶に来ました。右前腕肉離れでリハビリ中ですが、遠投で80〜90m投げられるほどに回復したそうです。阪神タイガース矢野監督からの期待も大きいことを村上投手に伝えたそうです。 村上投手が一番対戦したい打者は、智弁学園の先輩である巨人の岡本選手をあげました。甲子園のマウンドで三振を取り、少し照れた村上投手のガッツポーズを一日も早く見たいと思います。二人の対戦が楽しみです。 今年の東都大学秋季リーグ戦では、駒澤大学と同率の最下位でありました。新型コロナウイルス感染拡大により、2試合勝率制で開催され、入れ替え戦はありません。また、ベスト9に木村翔大選手(3年)が選ばれ、松沢海樹投手(2年)は防御率3位の好成績を納めました。杉本監督は、来季は新人選手をはじめ、好選手が大勢いるので大いに期待してほしいとの強い決意がありました。 2021年は、甲子園と神宮球場で応援しましょう。(埼玉県西部支部だより第15号より)ピック・パラリンピックの聖火リレーも相双地区の復興拠点「ヴィレッジ」をスタートしている。福島県民は、コロナの感染恐怖からの開放とともに、原発の早期廃炉、そして「食」に関する風評被害の払拭を強く望んでいる。

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