「私と登山」　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　森本　　勉（昭和44年商学部卒）

昭和42年秋、大学は吹き荒れる学園闘争の為、休講の連続であった。下宿で毎日ゴロゴロと暇を持て余していた時、鳥取県出身の友人N君が、「どうも気分がすっきりせん、山登りでもするか。」と切り出す。あまり気乗りはしなかったものの、「リュックサックとテント、寝袋を用意するから、登山靴だけ自分で用意してくれ。」の一言と、滔々と語る山の素晴らしさにつられ、しぶしぶの出発となった。

上高地、徳沢を経て、キャンプ地の涸沢カールが近づくと紅葉はまさに錦織りなすという形容がぴったりである。テントを一歩出れば満天の星空、早朝の朝日に染まる穂高連峰の神々しさ、まさに圧巻であった。

北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳と岩場に足を震わせながら、どうにか踏破した。秋の初登山は天候に恵まれたこともあり、辛さよりも感動の方が印象に残っている。

銀行に入行後は忙しさのあまり、山に対する気持ちも薄らいでいましたが、定年後、近所の美容院の旦那と意気投合し、「真備ハイキングクラブ」を立上げ、現在約50名の仲間と月2回の登山を楽しんでいます。

何歳になっても、頂上からの眺めは最高。山頂でのビールはこれまた格別。私にとって、山はまさに命の洗濯の場となりました。

岡山県支部事務局

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