全国の支部ブログ

父の終活

父の終活

谷口 美保(平3応社)

近況報告ということで、まったく私事ですが書かせていただきます。

令和3年10月10日、実父が84歳で亡くなりました。3年前に肺がんがステージ1で見つかり、手術後2年ほどはゴルフができるくらい元気だったのですが、昨年末に転移が見つかり、今年に入ってからは入退院を繰り返し、ついに先日亡くなりました。

昨年末にがん転移が見つかった時点で覚悟したのか、父なりにかなり本気の「終活」に取り掛かりました。以前より付き合いのある銀行や保険の情報整理はしてあったのですが、いざフタを開けてみると老夫婦どうしで生命保険をかけあっていたので私たち子供世代に受取人を変更したり、2階にあった寝室を1階に移すためのリフォーム工事をしたり、それに伴う断捨離をしたり、家族を挙げての大騒ぎ。ようやく物の整理がついてきたと思ったところで亡くなったので、今後は遺品整理・処分も含めてもう1ラウンドありそうです。

父はいまわたしが継いでいる印刷会社を興し、会社が今年50周年を迎えるにあたり社史と自分史を兼ねたような本を出版したいと兼ねてから願っていました。原稿もそれなりに用意されていたのですが、わたしの編集者としての立場からすると冗長で話が行ったり来たりするところも多く、もう少し手直しをしてから~、写真も選ばないといけないし~などと、日延ばしになかなか手が付かないまま、亡くなってしまいました。

こんなことなら早くつくっておけばよかったと本当に後悔しましたし、このままだと、おそらくわたし自身がずっと引きずるだろうと思ったので、亡くなってから通夜・葬儀までの5日間の間に、急ごしらえでプチ自分史の冊子を作りました。一晩で原稿を仕上げ、デザインと印刷で半日といった超特急仕事です。そしてなんとか間に合わせ、通夜・葬儀に参列いただいた方にお配りしました。ご近所や父の友人に大変好評いただきましたし、なにより、見送る側のわたし自身、家族の気持ちがとてもすっきりしたので、無理やりでしたが作ってよかったと思っています。

しかしまぁ、医療、介護、仏事などなど、この1年間に直面したことは本当に知らないことばかりでした。それぞれの分野でご活躍の皆様がたのおかげで成り立っていることを実感しました。自分ももう50代。他人事ではなく準備、整理しておくことは大切だなぁと思った次第です。

 

 

 

 

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