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心こそ大切なり

〝心こそ大切なり〟

前野 和男 (昭50法律)

「どんな噺でも、対話をするのが落語」と語ったのは、「笑点」などで活躍した桂歌丸師匠。

「真景累ケ淵・お熊の懺悔」など多くの古典落語を蘇らせたと言っても、古い文献通りに演じると、現代の人々に通じない部分が出てくるので工夫は欠かせない。」
歌丸師匠の演じた「いが栗」には、サゲ(オチ)があった。その日の客層や会場の雰囲気によっても、臨機応変に筋を変えたという。
「今日の客はやりにくいなって、いうようなお客が来てなきゃダメなんだ。そういうお客を、こっちへ引っ張り込むようでなけりゃ。」と歌丸師匠は言う。
噺の中だけでなく、客席とも〝対話〟しながら作品を仕上げていった。(『歌丸 極上人生』祥伝社黄金文庫)
相手の立場に立ってこそ、対話は実りあるものとなる。まず話を聞き、気持ちに寄り添い、何ができるか共に考え始める。自分の心の成長こそ、対話のもたらす果実にほかならない。

昨年見た石原さとみ主演の『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』というテレビドラマは、薬剤師として患者に寄り添い、家族や医師、同僚らをリードし難問を解決する模範的薬剤師のドラマである。
ドラマだからという批評がある一方、薬剤師として患者に何ができるか、共に悩み考え寄り添うドラマが共感を誘う。立場こそ違え教えられることが多い。
〝心の成長こそ大切なり〟とは偉人の言なり。今、コロナ禍にあって、国民一人一人が心を一つにして声掛け励まし合いながら、賢く生き抜いて行きたい。

 

 

 

 

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