全国の支部ブログ

第98回 箱根駅伝TV観戦記

第98回 箱根駅伝TV観戦記

福原 達夫(昭50商学)

昨年に続きコロナ禍の影響で沿道での応援自粛要請が出され校友の皆さんはテレビの前で一喜一憂で観戦をされたかと思います。我が東洋大学は今季はコロナ対策の強化から一部練習が制限された影響からか春先の大会成績は精彩を欠き、関東インカレでの入賞者ゼロという結果に終わるが、その後はチームを立て直し迎えた駅伝シーズンで出雲駅伝では石田選手を始めとする選手の活躍もあり3位となるが、続く全日本大学駅伝ではまさかのシード落ちと浮沈する。そして迎えた箱根駅伝はどうなるかと関心が集まる。戦前の予想評価は新興勢力の台頭もあり高くはなかった。多くの校友も不安を感じていたのではないだろうか。

さて、1月2日箱根駅伝は始まった。レースを振り返ると1区で中央大が飛び出し超高速レースとなる。東洋大学の1区は児玉選手、冷静に自分のペースを維持し、区間12位で、続く2区松山選手へ、各校のエースが集う「花の2区」と呼ばれる。東洋大のエースにふさわしく松山選手は堂々とした走りっぷりをみせ区間5位(日本人2位)。順位を4つ押し上げ8位に上がる。続く3区の佐藤選手は積極的走りでラストに追い上げて区間8位。順位を更に2つ上げ6位へ。4区は「準エース区間」、多くの方はルーキー石田選手が起用されると予想していたのではないだろうか。しかし酒井監督は調子が良いとこの区間に木本選手を投入する。積極的な走りを見せ一時は駒大とつばぜり合いを演じたが後半は調子が上がらず順位を12位まで落としてしまう。そして往路最終5区山登りへ、区間記録を持つエースで主将の宮下選手が控えるので未だ期待は持てる。宮下選手は満を持してスタートするが前半は思うようにペースが上がらなかったが、後半9㎞を過ぎると体が動き、3つ順位を上げて9位でゴール。往路優勝を狙ったが厳しい結果となった。

翌3日の復路、当日変更で9区前田選手、10区清野選手が入り挽回を狙う布陣である。6区山下りには2年連続で九嶋選手を起用。この山下りは楽だと思われがちだが太もも前方に大きな負担がかかりジワジワと効いてくると言う。また足の皮がめくれることもあり選手への負担は大きい。そして何より下りの急カーブの連続、かつてはスピードが出すぎて沿道の観客へ飛び込んだこともあったほどである。この難所を昨年の自らの記録を46秒縮め区間10位、9位を維持して続く7区梅崎選手へ。法政大と国学院大と烈しいデッドヒートを繰り広げ、9位を死守。「襷」は8区は蝦夷森選手へ、前を行く帝京大、東海大との差を一気に詰め区間4位の快走で7位争いに加わる大健闘。そして9区では前田選手が待つ、蝦夷森選手が襷を渡すときに「たのむぞ」と大きな声を上げる。前田選手も区間5位の走りで順位を6位東京国際大とは秒差の7位で最終10区。良い流れである。10区は昨年もこの区間を走った清野選手、「襷」を受けここから快走、前を走る中大、国学院大、東京国際大を捉え4位まで上がる。ゴール前では駒大と熾烈な3位争いを演じたが惜しくも2秒差の4位でゴール。

復路は東洋大らしい「攻めの走り」「諦めない走り」「怯まず前へ」を体現した走りで見応えのあるレースであったが、上述した「東洋の逆襲」シーンはTV画面では僅かしか放映されなかったことは残念である。復路成績は2位、総合4位、そして17年連続シード権獲得。この結果には安堵するが、来年は今回の経験者が多く残りまた有望な新入生も入学する。今年の優勝記録10時間43分を超えて2012年以来の総合優勝に期待は膨らむ。

 

快走する9区前田選手 <写真:報知新聞社>

総合4位でゴールする10区清野選手 <写真:報知新聞社>

 

 

 

 

全国の支部ブログ