箱根駅伝応援記
箱根駅伝応援記
福原 達夫(昭50商学)
第100回を迎えた箱根駅伝は令和6年1月2日、3日、東京大手町~箱根芦ノ湖往復10区間にわたり23校が参加して行われ、母校は往路4位、復路3位、総合4位、そして19年間連続でシード権を獲得するという立派な結果を収めた。
今大会は沿道での応援が解禁され、城北支部の「応援の定位置」、芝・増上寺前に集まり母校のノボリ旗を立て最終10区を走る選手を応援する。
母校名のノボリ旗を立てていると一般の駅伝ファンだろうか、ノボリ旗を持っての写真撮影を希望する人や、家族全員が東洋ファンだという家族連れからもノボリ旗も持たせてほしいなど、東洋大学に対する高い好感度は嬉しい。
■芝・増上寺前
ここで今年の箱根駅伝を振り返る前に、出雲駅伝、全日本大学駅伝では満足な結果を残すことができなかったためか決して下馬評は高いものではなく、シード権の確保さえ厳しいのではという予想さえあった。
不安と期待が交差するなかでレースはスタート、1区は九嶋恵舜選手、ここ数年1区で出遅れる場面があるので注目したが、順位こそ15位だが前を走る選手との差は僅差で、前方の選手たちが視界に入る位置で2区を任された好調な梅崎蓮選手へ。各校のエースが集まるこの区間で区間6位、8人を抜き去り順位を7位に上げチームに勢いをつけると、続く3区の小林亮太選手も区間6位、更に順位を2つ押し上げ5位まで上げ、4区エース松山和希選手に「襷」がわたると、期待に応え区間2位の快走、ここで順位が4位に浮上する。2区~4区でチーム順位を一気に11も上げた。5区は心肺機能と脚力の高さを見込まれた緒方澪那斗選手、必死に順位を維持し往路4位で芦ノ湖のゴールに飛び込む。
3日の復路、6区西村真周選手は自己記録を1分以上縮め、7区熊﨑貴哉選手、8区村上太一選手へと「襷」が渡るが、この2区間は緊張のためかなかなか調子が上がらない。しかし順位はキープすると、「復路のエース区間」と呼ばれる9区吉田周選手は1万メートル28分台のスピードと粘りが身上、堂々区間2位の快走。この快走が大きい。
そして最終10区岸本遼太郎選手は2年生、前を行く3位校を必死に追う、距離追うごとに前を走る走者の姿が大きくなる。
そして、城北支部が応援する芝、増上寺前に岸本選手差し掛かると沿道の十重二十重(とえはたえ)の多くの観衆からはひときわ大きな歓声があがる。運営管理車に乗る酒井監督から沿道の応援に対するお礼の会釈があった。
ゴールまであと5キロ、3位に上がれるか固唾をのんで中継を見守るがもう一歩及ばず総合4位でフィニッシュ。3位校とは往路スタート時、3分49秒あった差を21秒まで詰め「強い東洋の復活」を印象付けた。
来年に向けては今回走った6人が残り、今年の新入生は全国レベルの選手が多く入部するという。ますます期待は高まる。応援しよう。
■10区岸本遼太郎選手 写真:東洋大学/月刊陸上競技