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白山上向丘商店街

白山上向丘商店街

勝見 博(昭50法律)

東洋大学白山キャンパスの近くに、「白山上向丘商店街」があります。国道17号線(旧中仙道)の白山上交差点付近から本郷通りの向丘二丁目交差点へ進み、右折して向丘高校の手前までの、学校や寺に囲まれた地域に約60の小売店・飲食店等が並ぶ商店街です。

都営三田線の白山駅と東京メトロ南北線の本駒込駅のほぼ中間に位置し、両駅に向かう人の往来も多い通りに面して「南天堂書房」があります。店舗の建て替えのために3年程休業していましたが、昨年7月にリニューアルオープン。筆者が東洋大学に通っていた頃は白山キャンパスに生協が無かったこともあり、南天堂書房にはよく足を運びました。
現在は1階のみが書籍売場で「街の本屋さん」という感じの店ですが、1970年代当時は1・2階とも売場で、今よりもっと多くの本が並べられていました。エッセイストの森まゆみ氏の『東京ひがし案内』(ちくま文庫)には、詩人の小野十三郎(東洋大学中退)が若き日に、2階にあった喫茶室で仲間達とよく議論をしていたとの記述があります。

TBSテレビ系列で日曜日の夜に放映されている、毎日放送制作のドキュメンタリー番組『情熱大陸』で、この商店街の二つの店が紹介されました。

一つは2020年10月4日の第1123回に登場した中華料理店『兆徳』です。オーナーは中国人の朱徳平さんで、妻の母親が日本人であったことをきっかけに来日し、1995年に開業。来日後に中国料理店でアルバイトを始め、料理を一から覚えたそうです。
筆者は15年程前に、落語家の柳家権太楼師匠から「古今亭志ん朝師匠が、東京で餃子が一番旨い店と語っていた」と聞き、白山キャンパスの図書館を利用した際などに立ち寄っています。「黄金の炒飯」と「拘りの餃子」が売りの行列のできる「町中華」でしたが、テレビで紹介されるとさらに人気店となり、同じ商店街内にテイクアウト専門の店もオープンしました。

二つ目の店は、2022年3月6日の第1193回で放映された、白山上交差点近くの惣菜店『小田原屋』です。1888年(明治21年)に文京区白山上で創業してから135年以上営業を続けており、東洋大学(1887年哲学館創立)の歴史とほぼ重なります。
現在の店主は5代目の村山権一さんです。あさりの佃煮、ポテトサラダ、丹波の黒豆、高野豆腐など家庭で親しまれている惣菜がきれいに陳列されています。テレビで紹介された人気商品「すき焼き袋」は午前中で売り切れてしまうとのことです。

 

 

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