全国の支部ブログ

五館文学めぐり

五館文学めぐり

勝見 博(昭50法律)

今年の夏休みの期間中、都内の文京区・台東区・北区・荒川区にある5つの文学館をめぐるスタンプラリーが開催され、厳しい残暑が続く8月最後の週に3回に分けて、各文学館を見学してきました。

1回目は、まず都営地下鉄三田線・大江戸線、東京メトロ日比谷線を乗り継いで三ノ輪駅で下車し、徒歩10分程で竜泉3丁目にある台東区立「一葉記念館」へ。3階建てのコンパクトな建物内に3つの展示室があり、一葉自筆の書簡や草稿等を約1時間見学。高校生の時に「たけくらべ」を読み、貧窮のなか肺結核のため24歳の短い生涯を閉じたことは知っていましたが、17歳で父親を亡くすまでは、中流家庭で育った利発な少女であったようです。
次に都電荒川線の三ノ輪橋停留所まで15分程歩き、荒川二丁目停留所で降りると徒歩1分で「ゆいの森あらかわ(荒川区立中央図書館)」に到着。荒川区出身の小説家吉村昭を紹介する「吉村昭記念文学館」は2階・3階に常設展示室があります。今回はトピックとして「吉村昭取材ノート~戦争体験者の証言を求めて~」も展示されており、いままで馴染みのなかった吉村昭の作品を読んでみたくなりました。

2回目は東京メトロ日比谷線の入谷駅で下車し、浅草の合羽橋道具街の北に位置する台東区生涯学習センター内の中央図書館にある「池波正太郎記念文庫」を訪問です。池波正太郎の作品は30~40歳にかけて、歴史物の「真田太平記」、映画や食に関するエッセイ等をよく読んでいました。記念文庫内には小説、エッセイ、戯曲などの作品がずらりと展示されています。池波は毎年4月頃に翌年の干支に因んだ直筆の絵を千数百枚の年賀状に印刷し、年末にかけて自筆で宛名を書いていましたが、その年賀状も見ることができました。

3回目は三田線の白山駅から千駄木方向へ15分程歩いて、団子坂の手前にある文京区立「森鷗外記念館」へ。3度目の訪問ですが、今回は「小説『舞姫』をよんでみよう!」のコレクション展でした。
明治・大正を代表する知識人の足跡を再確認した後、千駄木駅から東京メトロ千代田線に乗り、西日暮里駅でJR山手線に乗り換えて田端駅で下車。駅の北口を出ると「田端文士村記念館」の建物が見えます。文士村記念館は田端に住んだ多くの文士芸術家たちを紹介していますが、芥川龍之介に関する資料が充実しています。今回は「龍之介・犀星のもとに集った詩人」の企画展でした。

東京23区内には区立や公益法人の文学館や美術館などが幾つもあります。入館料もリーズナブルで常設展なら無料の施設もありますので、区の広報等の案内をたよりに足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

スタンプラリー 五館文学めぐり
~文京・台東・北・荒川 四区をつなぐ文学館の旅~
【チラシ PDF】

 

 

 

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