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MGC選考レースを振り返る

MGC選考レースを振り返る

勝見 博(S50・法律)

昨年の9月15日、東京オリンピックのマラソン日本代表を決める「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC、代表3枠のうち2名が内定)」が開催されてから、早くも1年が経過しました。男子の残り1枠を決めるMGCファイナルチャレンジとして、今年の3月上旬に東京マラソン2020、びわ湖毎日マラソン2020が行われましたが、新型コロナウィルス感染症の拡大により、その後のロードレースは軒並み中止となり、東京オリンピックも1年延期となりました。

別表のように、MGC選考レースには実業団で活躍する鉄紺OBランナーが多数出場し、鉄紺ファンを楽しませてくれましたので、これを振り返ってみたいと思います。男子は、2017年夏から2019年春に開催される国内の5大会(北海道マラソン、福岡国際マラソン、別府大分毎日マラソン、東京マラソン、びわ湖毎日マラソン)でレース毎の順位とタイムをクリアした選手(MGCシリーズによる選考)、または2017年8月1日~2019年4月30日に開催される国際陸上競技連盟が世界記録を公認する競技会で条件を満たした選手(ワイルドカードによる選考)が、MGCの出場資格を獲得しました。男子の出場資格者34名のうち東洋大OBは5名で、出身大学別では青学大4名、駒澤大3名を抑えトップでした。

2018年2月の東京マラソンでは、設楽悠太選手が16年振りに日本記録を更新する快挙を成し遂げ、山本憲二選手も2時間8分台の好記録で、それぞれMGC出場資格を得ました。設楽選手が40キロ地点を通過し日本記録更新の可能性が高まってからは、テレビの前で釘付けになって応援していました。同年12月の福岡国際マラソンでは、服部勇馬選手が2時間7分台の好記録で優勝し(日本人選手の優勝は14年振り)、MGC出場を決めました。レース終盤の服部選手の力強い走りが印象的でした。

2019年3月のびわ湖毎日マラソンでは、山本憲二選手が日本人トップの7位で自己ベストを記録し、10位の山本浩之選手は日本人3番手でMGCの出場資格を手に入れました。髙久龍選手はMGC選考レースに何度もチャレンジし、2019年4月のハンブルクマラソンで2時間10分02秒の記録をマークして、ワイルドカードでMGC出場資格を獲得しました。

MGC本番では、設楽悠太選手がスタート直後から積極的に飛ばし、マラソンファンを楽しませてくれました。一時は第2集団に2分以上の差をつけ35キロまでは独走状態でしたが、暑さの影響でペースダウンし37キロ過ぎに第2集団に飲み込まれました(14位、2:16:09)。服部勇馬選手は終始冷静にレースを進め、最後のスパート合戦を凌いで、ゴール直前の坂道で大迫選手をかわして2位に上がり、見事にオリンピック代表に内定しました(2位、2:11:36)。山本浩之選手は終盤に追い上げて12位でフィニッシュ(2:15:52)。山本憲二選手は途中第2集団を引っ張る姿も見られましたが、終盤にペースが落ち、16位(2:16:44)。髙久龍選手は30キロを過ぎてから途中棄権でした。

オリンピック代表の残り1枠を目指して、東京マラソン2020には多数の有力ランナーが出場し、レベルの高いマラソンレースとなりました。大迫選手が自身の日本記録を更新して4位に入り代表に内定しましたが、髙久選手が日本人2番手、全体8位でフィニッシュしたのは嬉しい驚きでした。さらに定方俊樹選手が2時間7分台の好記録で10位に入り、男子マラソン日本歴代記録トップ10に鉄紺OBが3人も名前を連ねることになりました。

(表1)MGC選考レースにおける鉄紺OBの成績

(表2)男子マラソン日本歴代記録トップ10

 

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