全国の支部ブログ

「ホテルランチ」と「晩学のススメ」

東洋大学校友会神奈川県支部は、11月19日(土)午前12時から、窓の外にはロープウェイ、観覧車、横浜市役所を眺めながら、桜木町ワシントンホテル5階で「ホテルランチ」と「晩学のススメ」を開催し、総勢26名が参加しました。

浅野理事の司会進行で会がスタートし、甫水会および甫水OB会の来賓を紹介、その後、櫻井裕子支部長から挨拶をいただきました。
宮崎事務局長の講演者紹介を受け、根本文子(ねもとあやこ)さんを迎え「徹子の部屋」様式で「裕子(ひろこ)の部屋」対談に入りました。

根本さんは、矢口東洋大学学長が提唱する〈リカレント教育(学び直し)〉の先駆的な実践者です。
俳句をたしなんでいた両親、自らの幼少期の思い出、高校卒業後から仙台で働き一つ年下の弟の大学進学から卒業まで同居しながら全面的に支援、子育て(お子様3人の4年生大学卒業まで)、そのあと末子に背中を押され晩学をめざすまでのお話に、私たちは静かに耳を傾けました。

本題で、正岡子規は「膨大な言葉の収集家、かつ多くの言葉を創り出した人」であり、後世に至るまで影響を及ぼしていること。
また、夏目漱石、森鴎外、高浜虚子をはじめとする文学者、俳人たちとの幅広い交流を通じた「日本のルネサンス」を死の間際まで願っていたこと。
それまでの宗匠俳諧や点取り俳諧として娯楽に傾く傾向のあった俳句について、松尾芭蕉さえも批判し、卑俗陳腐と言い放ちながらも、改めて松尾芭蕉、与謝蕪村などを再定義したこと。

そして、根本さんは自著の中で「正岡子規を支え、世につなげた人物は中川四明である」と考え、丹念に資料を収集・整理し、貴重な著作を発表されました。
まさに、「中川四明なしに正岡子規はあらず」という真実を発掘されたのです。
これらのお話が、「裕子の部屋」で分かりやすく、和やかに語られました。

対談を終え参加者一同から、根本さんの「第36回俳人協会評論賞」受賞へのお祝いとして、花束を贈呈いたしました。

ランチを挟み、参加者の中から「私は根本さんと同じ年齢、同じ人間、同じ人生ですが、こうも違うとは?お恥ずかしい限りです」「七五調は現代のSNS文化にマッチしていると聞いていたので、講演をお聴きし俳句に興味を持ちました」「ちょうどNHK〈歴史探偵/正岡子規〉を見ていたので、さらに理解が深まりました」「30数年という短い人生、病臥の日々でも正岡子規は常に前向きであったことや、平気で死ぬことよりも平気で生きることを大切にした生き方に感銘を受けました」など、たくさんの感想をいただきました。

最後に、根本文子さんを中心に集合写真を撮って散会しました。

〈宮崎 S52 中哲卒〉

 

 

 

 

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