校友 山北悦子さんの短歌 2年連続 長崎県知事賞受賞
受賞作
「修学旅行の子らは黙せり如己堂の 二畳一間をのぞきたる後」
第58回長崎県原爆忌文芸大会 (長崎国際文化協会主催) で山北悦子さん(1972年/S47国文卒)が短歌の部において最高賞となる長崎県知事賞、ならびにKTN・テレビ長崎賞を2年連続で受賞されました。(前回の受賞は当ブログ昨年9月号で紹介) この大会には県下より平和希求を思い詠んだ作品が多数出品され、審査を受けた作品は長崎市茂里町の長崎ブリックホールで展示されました。
注1: 如己堂(にょこどう)は、長崎市上野町にある永井 隆 医学博士(注2)が白血病の療養をしていた建物。長崎原爆の3年後、長崎市浦上の人達やカトリック教会の協力により建てられ、この二畳一間の部屋で永井博士の著名な作品の数々が生まれました。現在、隣接地に長崎市永井隆記念館が建てられています。
注2: 永井 隆 医学博士(1908年~1951年、島根県松江市出身、長崎医大教授、長崎市名誉市民、随筆家『長崎の鐘』や『この子を残して』等の著書多数)敬虔なカトリック信者で、戦前から無料診断・無料奉仕活動などを行われました。 放射線医学の研究家で、原爆で愛妻を亡くし、自らも被爆、重傷を負いながらも「己の如く隣人を愛する」という精神のもと救護活動にあたられました。 その後、被爆による骨髄性白血病で倒れ、病床で『この子を残して』を執筆し一躍世に知られました。1948年来日したヘレン・ケラー女史、翌年昭和天皇、同ローマ教皇特使のお見舞を受けています。
(支部長 上薗茂樹 記)