【著書彩々】校友・雨倉敏広氏のご著書紹介
明治国制史 ~明治憲法下における人事調停法への帰結~
雨倉敏広氏(大学院公法学専攻修了)が2021年6月26日に『明治国制史~明治憲法下における人事調停法への帰結~』を一藝社より出版いたしました。
【はしがきより】
本書は、日本近代憲法(国制)の成立・発展史を描いたものである。従来、憲法史は明治憲法や日本国憲法といった個別の憲法典の成立過程を中心に描くのを常とする。だが、まず国家の全体構造が構想され、その後に根幹となる法制度としての個別の憲法典が制定されるのが本来の順序である。
そうであるならば、まず明治期憲法典制定に先立って構想された全体としての国家構造(憲法構造)を解明することなくしては、個別の憲法典の成立過程そのものさえ真に解明することは困難であろう。この観点から、本書では「国制」という概念を用いて憲法の全体構造の解明に当たることとした。