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【著書彩々】竹村牧男元学長(名誉教授)のご著書紹介

空海の究極へ―『秘密曼荼羅十住心論』を読む

竹村元学長(名誉教授)が2022年4月26日に「空海の究極へ―『秘密曼荼羅十住心論』を読む」を青土社より出版いたしました。

 【著者コメント】

本書は『十住心論』全体を読むものではなく、目次にありますように、十住心の最後、密教の世界を明かす「秘密曼荼羅住心 第十」のみを読むものであります。

このところ、もっぱら空海に取り組んできておりまして、身のほどをわきまえず、ついにその高峰のいわば頂上に挑戦してみたものです。さすがにその登攀には厳しいものがあり、密教研究の専門家から見れば、私の理解は十全なものとはなっていないかと思います。今は、慙愧に堪えない思いでおります。

一方、全体に、密教系の術語が極めて多くて、そのつど説明したつもりではありますが、一般の方にはなかなかむずかしいものとなっているかとも思います。

ただ、空海の主著『十住心論』がどのような書物であるのかの、一定の理解には何らか資することができるのではないかと思います。また、空海に親しんでいらっしゃる方には、『十住心論』の解説書がほとんどない中、粗笨ながらこれを一つの足掛かりとされて、空海の究極、『十住心論』の「秘密荘厳住心」の本意を、さらに尋ねてくださいますれば幸甚です。その意味でも、「空海の究極」ではなく、「空海の究極へ」です。

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