母校支援

女性の活躍推進第一世代!?応援が人を育てる

みなさま、こんにちは。昭和57年経済学部卒の岡部奈緒美です。

この数年、女性の活躍推進やダイバーシティが大きく進み、女性をはじめ、様々なハンデを抱える方々の働きやすい環境が整ってまいりました。それでも本当に活躍できているのか?というと、まだまだ発展途上だと思っています。

現在奮闘している女性や、これから活躍する可能性を持つ皆さんは、応援されることで自信がつき、そして応援返しすることで自分を育てることにつながることを自分の経験をもとにお話ししたいと思います。応援とは自利利他、忘己利他、人のために尽くすことです。しかし、決して滅私奉公ではありません。応援とは双方向の心の交流なのですから。

朝霞キャンパスで学んだ一言が生涯の支えに

東洋大学が文学部を除く第1部の教養課程2年間を朝霞校舎へ移転した1978年経済学部に入学しました。当時の朝霞キャンパスは畑の中にある真新しい校舎。先輩のいない2年間ということもあり、ある意味のびのびと過ごしました。

当時の経済学部は男子学生ばかりでしたので、女性が大学に行き経済を学ぶというのもまだまだ珍しい時代。それでも、男女の隔たりをなくし4年間で学んだことは「学問に男女の差はない」ということ。まだまだ女性は家庭に入り良妻賢母になることが当たり前だった時代で、学問はそこそこに。。。という中、それでも学問の自由を教えてくれる教授の存在と応援は大変画期的な存在でした。

男子学生には体力面ではかなわないものの、それ以外のところは努力をすれば女性でも活躍できる場を作ることができる!という視点をもつことで、その後の学び方が大きく変わったことは言うまでもありません。当然ながら大学を卒業する頃には「女性らしさを忘れず、女性が活躍できる社会を目指したい」と考えるようになっていました。

応援を通じて得た経験

そんな中、同級生の中に「三度の飯より野球が好き」という男子学生がいて、春と秋のリーグ戦が始まるとなぜか私も誘われ、気づけば毎回仲間を集めては神宮球場へ応援に行っていました。女性も混じったグループの応援があまりにも熱く目立ったようで、なんと同級生たちと一緒に秋季リーグ戦を神宮球場で応援している写真が朝日グラフ(1981年10月9日号)に掲載されることに。

ちょうど東都リーグも熱戦を繰り広げていた頃で、翌年の82年春の大会ではリーグ優勝を果たすことに。私たちの応援があたかも届いたかのようで、熱い気持ちが選手にも届いたと思うとますます力が入ったものです。

女性の活躍だけではなく多様性がポイント!

卒業後、私は自動車会社に就職して販売促進の仕事を担当していましたが、高度経済成長が頂点に達し、バブルの足音が聞こえ始めた経済情勢真っ只中!日本の輸出産業の根幹を支えていた自動車産業は勢いを増していましたので、業績が伸びるたびに仕事のやりがいを感じていたのは事実です。

丁度そのころは1980年代。男女雇用機会均等法制定が85年に制定されますが、そのころから仕事ができる女性がクローズアップされ始め、女性イコール家庭を守るという暗黙のルールが崩れ始めていたこともあり、華やかなイメージを持ちながらも男性に負けない強い女性が増え始めていました。

女性の活躍がメディアに取り上げられるということは、これからの女性の在り方に大きな変化をもたらすという期待と応援する気持ちが一つになったからこその結果ではないでしょうか。

その流れも手伝って1990年代後半には、女性の働き方にも変化がみられるようになりましたが、まだまだ課題は山積み。自分がこれまで目指してきた女性の活躍に一肌脱ごうと、埼玉県男女共同参画審議委員を務めさせていただくことに。

女性が活躍できる環境整備に力を注ぎ、様々な環境に置かれている方の社会進出についてリードしていこうと切磋琢磨する日々でしたが、結果としては全国に先駆けて、埼玉県が男女共同参画基本条例を策定するに至りました。

日本は世界と比較して女性の社会進出の割合が低く、社会進出の応援をするだけではなく活躍できる基盤がいかに整えられるのかを、これまでの経験を振り返りながら自分なりに活動を進めてきましたが、やはり一人では限界があります。

振り返る時はoneメッセージ「学問に男女の差はない」

竹村学長(当時)と一緒に大学の井上円了博物館で学祖の書を拝見していたときのことです。学長は「東洋大学は『学問に男女の差はない』と言って、日本の私立大学で最初に女子学生の入学を許可したのだよ」と改めて教えてくださいました。また、「東洋大学は、国公立大学を含めても2番目に女子学生を受け入れた大学なのだから、ぜひ女性連絡会で本学を卒業していく女子学生を応援して下さい」とかつて5号館があった場所で私に課題を残してくださいました。

40年の歳月を経て、私は同じ場所で同じ言葉を改めて噛みしめています。後輩の女子学生を中心に活躍できる基盤づくりを推進し、校友会支部の活性化につなげていくために、現在も私なりに日々走り続けています。

応援する気持ち、応援される気持ち、まさに心の交流を拡げます。女性活躍やダイバーシティの推進はまだまだ課題も多く、壁を乗り越えるのもそれなりの壁はあります。しかし、それらの課題の最先端をリードする母校の卒業生としての誇りを胸に、そして人生100年時代に相応しく応援し続けたいと思っています。応援を通じて私も成長しますし、後輩もどんどん育成し続ける。

結婚、育児、子育て、女性ならではの就業や起業・・・・応援したいことはいっぱいあります。これからは、視野を広く持つためにも様々な方々と連携し、活動の領域を広げていきたいと思っています。

一緒に応援してくださる方を募集しますので是非お声がけください。お待ちしています!

1982年 経済学部卒
岡部 奈緒美

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