母校支援

経験を積むつもりの体験が本業に

初めまして。昭和60年法学部法律学科卒業の渡辺弥生です。私はフリーアナウンサーとして主にプロ野球OBの皆さんやサッカー元日本代表の皆さんのイベントの司会、講演や社員研修の講師などを行っています。中でもプロ野球OBの仕事は20年近く担当し、故金田正一さんや、村田兆治さん、そして大学の先輩、達川光男さんや松沼博久さん雅之さんなど多くの名選手の方々にお世話になっています。今回は NHK 静岡放送局時代を中心に、私の経験についてお話させてください。

母校OB松沼博久さんとトークショーのときのワンショット

めざしていたのは学校の先生だったけど。。。

小学生の時から学校の先生になることを目指していましたが、大学 3 年の時のこと、 世の中には様々な職業があるのだから、いろいろと体験してから教員採用試験を受けても いいかもしれないと、ふと頭にそんな考えが浮かびました。せっかくなら就職先と して選ばないところにしようと考えた先はマスコミ。私にとって「マスコミ」は 芸能界と同じ感覚。就職先として考えていない業種でした。

今と違い分厚い電話帳で調べることが当たり前の時代。めくり始めると「アナ ウンサー養成学校」なるものを発見。早速入学すると、当然ですが本気でアナウンサーを目指している人たちばかり。放送部などの経験者も多く、素人の私はクラスでビリ。それでもクラスメートに追いつこうと発声や滑舌、原稿読みなどを一所懸命に練習し、なんとか話せるようになりました。

ところがです、いざ就職活動を始めると、募集がない! 就職を希望していた故郷静岡の4つの放送局はその年、女子アナの募集がなかったのです。教員採用試験を受けるにも、時期的に終わっていたため焦りました。生活もしなければならず、働きながら既卒でアナウンサー試験を受けようと計画を立て直し、一旦就職。すると「このままでいいや」と思い始めたのです。そして毎日楽しく遊んでいたら、ある朝突然「立てた目標を達成しなければ!」と胸の底から突き上げるような思いに駆られました。

夕方5時台の番組キャスターを担当していたころ

得意なネタ探し!「ネタの宝庫」といわれごちそうになることも

その後、既卒で文化放送のオーディションを受けて合格。プロ野球西武ライオンズの番組を担当しました。一年後、実家の母から NHK 静岡放送局でキャスターリポーターを募集しているとの情報が!もともと静岡で就職を希望していた私は飛びつきました。NHKでは、静岡局の契約アナウンサーとしてニュースや中継番組のレポーター、情報番組、Jリーグ番組のキャスターなどを務めました。中でもスポーツは長く担当、Jリーグの取材も毎日のように行き、夏の高校野球静岡大会では試合の実況も務めました。

そのNHKでは記者やディレクターだけでなくアナウンサーやカメラマンも「企画の提出」を求められます。自分でネタを探し、提案して、それが通ると構成を書きロケに出かけて制作をします。まずネタ探しからなのですが、これが私の最も得意とすることでした。新聞をはじめ、市町村の広報誌、街頭で配られるチラシや窓口のチラシ、電 柱広告まで気になったものを手に取り、スクラップブックにまとめました。どんな些細な情報でも気になれば拾っ ていたため「ネタの宝庫」と呼ばれディ レクターから企画の相談をよく受けました。ネタをあげてご飯をご馳走してもらったことも懐かしい思い出です。

企画といえば、ハンデを抱える子供のチームがドッチボールの試合をしている との情報をキャッチしたときのことです。早速取材に向かうと、学校の体育館で厳しい練習が行なわれていました。子供たちを指導している先生も、作戦を練って大会に臨んでいるのですが、なか なか勝てず悔しい想いをしているチームでした。そんな一所懸命に頑張る子供たちを クローズアップしたところ、多くの反響が寄せられ、他局では 1 年間のドキュメンタ リ―番組として密着取材が入るほどの注目を浴びたこともありました。

他にも、お昼の生中継「昼どき日本列島」 や、「特集 私の富士 山」など多数の番組に携わり気が付けば 10 年が経過していました。

NHKを辞める日に気が付いた「なぜ」の理由

2~3 年のつもりで始めたアナウンサーですが、結局、その後の教員採 用試験は受けませんでした。あんなに先生になりたかったのになぜだろうと考え続けて、NHK 静岡放送局を去る日に気がつきました。私は子供の頃から、小さな発見や感動を「聞いて聞いて」と話すことが好きでした。「聞いて聞いて」 それは「伝える喜び」だったのです。

現在は全国各地で司会や講演、研修を行っています。講演は仕事でご一緒しているプロ野球選手の方々から学んだことを「成功の鍵」としてまとめたものです。その講演を聞いてくれた方から社員研修を依頼されました。そして校友会などのご縁で病院や法人会など様々なところで仕事をさせていただいています。多くの出会 いが仕事につながり感謝の気持ちでいっぱいです。出会いの分だけ情報やチャンスも増える。待っているだけでは何も舞い込んできませ ん。ぜひ皆さんも多くの情報を見つけ、そしてチャンスに変えていってください。

現在の様子は以下のURLよりご覧いただければと思います。

参考:元NHKキャスター渡辺 弥生のブログページ
https://yayoi.i-ra.jp/

 昭和60年3月
法学部法律学科卒業
渡辺 弥生

 

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