母校支援

5つのスタンダードが未来創造を支える!

文学部英米文学科を1997年に卒業した茅根哲也です。気がつけば随分の年月が経っているにもかかわらず、私の気持ちはそれほど学生時代と変わっていないつもりです。しかし、はたから見れば結構年を重ねたアラフィフですし、校友会からいただいたありがたいお誘いをきっかけに、少しだけでも読んでくださった方の心に残るようなことを書けたらいいなと思っています。

未来を創造する

現在、私はMODE, Incというベンチャー企業で経営メンバーの一人として人事領域を担当しています。MODEはIoT(モノのインターネット)という分野で世の中の様々なモノがインターネットでつながる未来の世の中を作ることを目指しています。MODEの前はスマートニュースとお金のデザインという会社で人事責任者を。それ以前は約10年ほどグーグルで勤務し、日本や中国などアジア数カ国での人材採用チームの責任者や人材育成の担当をしていました。

グーグルは今でこそ誰もが知る会社になりましたが、私が入った頃は世の中の大半の人が知らない会社。インターネットで出来ることも限られていました。そういえばある著名なジャーナリストがインターネットのことを「便所の落書き」と揶揄したこともありました。

しかし今では誰もがスマートフォンを持ち歩き、人々がインターネットでつながり、社会インフラと行っても過言ではないくらい日常生活を営む上で必須なものになりました。グーグルはその中心にいます。そして今後、ありとあらゆるモノがインターネットでつながる世界が必ずやってくる。MODEはまだとても小さな会社ですが、私たちには未来を作っているという喜びと自負、そして責任感があります。

 

 

一言でいうと、私の仕事は未来を作る企業の成長を、人、チーム、企業文化という側面から支える仕事です。具体的には創業者や経営責任者が企業のミッションやビジョンをクリアにし、それがメンバーに浸透し、時にはメンバーを巻き込みながらアップグレードすることを助けます。

そして企業文化に馴染む、スキルと経験、そして成長するポテンシャルを秘めた人材を採用し、その人たちが成長し、個人としてチームとして最大限の力を発揮して、心身ともに健やかに働き続けてもらうような環境を作っていきます。一般には人事と言われる仕事ですが、私個人としては「チームビルダー」というイメージで仕事を捉えています。私はこの仕事をするにあたって、次の5つの基準をもって活動しています。

1.ワクワクする事業であること
2.まだ多くの人が価値を認めていないベンチャー
3.倫理的であること
4.グローバルであること
5.自分が急成長できること

1.ワクワクする事業であること

同じ仕事をするのでも自分がワクワクし何か意味のあるものに貢献していると感じられるのかそうでないのかでは、幸福度が全く違うと思います。こんなエピソードを聞いたことがあります。NASAを視察していたアメリカの大統領がそこで見た、ある清掃員の仕事ぶりに感銘し、「あなたは素晴らしい清掃員だ。」と労います。

この清掃員は「大統領閣下、私はただの清掃員ではありません。人類を月に送ることに貢献しているのです。」と。また、単純なレンガ積みも、神に近づくための大聖堂をつくるためにやっているのであればその意味はただの単純作業とは全く違ったものになると思います。

2.まだ多くの人が価値を認めていないベンチャー

グローバル化と情報化が進んだ世界では変化が急速で、あっという間に今までの当たり前が全く通用しなくなることが多発します。デジタルカメラの普及によりカメラのフィルム製造が斜陽になり、スマートフォンのカメラ機能が充実したことで、デジタルカメラが今度は斜陽になりました。過去は学びとすれば意味を持ちますが、過去の成功にとらわれるのはとても危険だと思います。

そして、グーグルの例にもある通り、今日の有力企業も世のほとんどの人に知られていないところから始まるのです。今の勝ち馬に乗るのも良いですが、勝ち馬には多くのひとが殺到するので、人生の貴重な時間を不毛な競争に使うよりも、私個人としては未来の萌芽に賭けるほうが楽しいと感じます。

3.倫理的であること

優れたテクノロジーは人の生活の大きな役に立つ反面、使い方を誤ると大変なダメージを与えるものになりえます。刃物もうまく使えば素晴らしい道具ですが人を傷つける道具にもなります。しかし、ダメージを与えうるからといってテクノロジーを全否定するのはあまりに一面的な気がします。

SNSは残念ながらデマ拡散の片棒を担いでしまいましたが、コロナ禍でZoomなどオンラインコミュニケーションツールによって人々は繋がりを保つことができていることも事実でしょう。大きなインパクトを持ちうる企業は倫理的に思考し振る舞うことが絶対に必要だと思います。私はそのような企業で働きたいし、自分の子どもたちに私の働く企業が世の中の役に立っていると思ってもらいたいのです。

4.グローバルであること

現在はコロナ禍で人の移動や接触が難しくなっていますが、オンラインで世界中がつながることは可能だし、例えばコロナウィルスのワクチン開発はグローバルに共有された知識を元にかつてないスピードで行われています。私の携わっている分野でもソフトウェアの開発などは国境を超えて行われています。

日本は少子化とはいえ、GDPべースでは世界3位なので大きな経済規模がありますが、時間あたりの生産性はOECD加盟37カ国中21位(公益財団法人日本生産性本部ウェブサイトより抜粋)と、もはやトップランナーではありません。内にだけ目を向けていると相対的地盤沈下に気づかない事態に陥ってしまいます。わたしは世界基準でワクワクするような仕事を世界中の仲間とすることに楽しみを見出しています。

 

 


5.
自分が急成長できること

初めて補助輪無しで自転車に乗れた日のことを私は今でも鮮明に覚えています。できなかったことが出来るようになる成長の喜びは人間の根源的な喜びだと思います。そしてベンチャーにいるということは安定や成功が保証されていない世界で生きることなので、他人や会社に自分の人生を依存してしまうことはとても危険です。同時にベンチャーは少ない人数で多くを成し遂げる必要があるので毎日が学びで、たとえ失敗したとしても、そこで得た経験や知識を次のチャレンジで生かしていくことができれば失敗も大きな糧となります。

私のような仕事の仕方や指向性はリスクが大きく不安に思われるかもしれませんが、私にとっては一度しかない人生をなんとなく過ごしてしまいあとから後悔をすることのほうが怖いのです。それは私が成人して間もない頃、慕っていた年の近い叔父が35歳の若さで突然亡くなったことで、人はいつ死ぬのかわからない、であれば今ある人生をやりたいことを精一杯やることに使わないともったいないと思うようになったことに原因があるかと思います。

ベンチャーはリスクもありますが、ワクワクして楽しいですし、失敗してもそこで人生が終わるようなことは滅多にありません。今の所まわりに東洋大学の校友を見かけることは少ないのですが近い将来、出会うことを楽しみにしています!

グローバルで活躍することに興味がある方は、是非こちらのNoteも読んでみてください!
https://note.com/tetsuya_chinone/m/mcfd986bfcfc0

 

 

1997年
文学部英米文学科卒業
茅根 哲也

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