母校支援

真面目な雑談で見えた若年層の本音

ちなみに東洋大学校友会真面目な雑談会は「現代版茶会」なんです

ときは明治22年。学祖井上円了先生は、本郷区駒込蓬莱町(現在の文京区向丘2丁 目)にあった哲学館で学生を相手に毎週茶会を開いていました。円了先生は、学生時代は社会的な拘束のない自由な時期であり、貴賤貧富にかかわらずどのような人とも交われる時期でもあると考えておられました。学生が自由を求めて行動することに対して、学校ではさまざまな規則を設けて学生を束縛することが 一般的な時代には画期的な考え方です。

そのため、哲学館では寄宿舎でも細かい規則の網を設けず、寛大なる人間性をもって対応することとし、判断は学生個人の道徳心と自覚に任されました。そのような環境で生まれたのが「茶会」でした。茶会は外遊中に見たイギリスの家庭のだんらんにヒントを得たもので、ここで円了先生は学生とともに談笑したり遊んだりして、人間性の育成(徳育教育)に役立てようとしたのです。

校友会では、これを現代版にしてオンラインで「東洋大学校友会・真面目な雑談会」として2022年より開始し、自由に思いを語る場として実施しているのです。

ボランティア精神満載の提案が!

手に職を持つ女性から、「私達狭い社会で同僚と話をしていると、どうしても視野が狭くなるのです。今は福祉関係の仕事をしていますが、違う視点でのアドバイスも欲しいなと思ったりします。それに、学生もそうだと思うのですが、実践に使えるノウハウを、そのノウハウを持つ卒業生が教え合うことは、とても素敵だと思うのです。」との話始めから話は加速します。

「特に最近は福祉を受ける人たちだけでなく、地域の方々、企業の方々、それに行政の方々などとも打ち合わせが必要なのでコミュニケーション能力は必須です。更には、地域包括ケアなどが当たり前の世の中になってきているので、様々な方々と目標を共有していくためのファシリテーション能力なども身に着けたいと思っています」実は、このニーズに応えるには幾つかの方法があり、リカレント教育はその一つの方法ですが、最近耳にする「プロボノ活動」と呼ばれる活動もその一つです。

「プロボノ」とは、「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」を語源とする言葉で、無償で【社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや経験を活かして取り組む社会貢献活動】を意味します。早稲田大学校友会では、このような活動を幾つか実践しており、留学や海外勤務の可能性がある卒業生や在校生に対して、海外勤務経験者、現地の稲門会が協力してアドバイスをする取り組みをしています。

今後、東洋大学卒業生が自身の得意とするスキルや経験を活かして、ファシリテーション技術を指導するのはさほど難しいことではないと思います。今後、是非校友会事業に活かしていきたいと思っています。

若年層は「ゆるいネットワーク」を好む

学祭に集まろうと言っても、それぞれの仕事環境や地域性もあり簡単には集まれないとのこと。若年層にとっては毎月第〇土曜日の定例会などは、暇なお年寄りの常識と感じてしまうようです。予め日程を決めても急な仕事は当然入ってきますし、移動時間は無駄だと感じてしまいます。もうオンラインミーティングは必須アイテムでした。

校友会に対しても「下手に加入するとなんかを押し付けられるかもしれない」「やたらお年寄りが自分の経験で判断しそう」の声。更に追い打ちをかけるように「未だ会費がキャッシュレス決済じゃないなんてあり得ない」とダメ出し。(ちなみに、ようやくクレジットカード払いがスタートします)「新鮮な空気、つまり自分たちが普段接触の難しい分野で活躍している人達と触れ合いたい」「決して高齢者が嫌いとかではなく、古い考え方を押し付けられるのを避けたいだけで、人脈は構築したい」との意見で、その為には今回のようなオンラインで、しかも何回かの機会のうち自分の都合がつく時に参加、協力できる「ゆるいネットワーク」にニーズがありました。

他にも、会活動には自由参加(出産、育児休暇と同じ)、リーズナブルな会費、興味がわくオンライン講演会(転職でキャリアアップした手法、女性が自立するためのスキル等々)などの多様なアイデアも頂戴しました。驚くことに、参加メリットや特典を望む声は皆無でした。(さすが他者のために自己を磨く東洋大学卒業生)

最後に女性・若年層参画に朗報!

今回参加いただいた校友の方にはブログ執筆を快諾頂きました。更にネットワークを広げるために次のブログ執筆者に襷を渡す「若年層女性が紡ぐバトンネットワーク」プロジェクトの提案が。当会女性連絡会とも相談し、是非実現させてまいります。

ご参加いただいた方に感謝申し上げますとともに、是非次の機会には多くの皆さんご参加頂いて、東洋大学卒業生らしい前向き、建設的な意見交換によるコミュニケーションネットワークを構築していきたいものです。

尚、今回ご参加いただけなかった方でも、アイディアやご意見、要望があるという方は、是非お寄せください。

一般社団法人東洋大学校友会 事務局

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