母校支援

自分の中にあるワクワク感を磨こう!

プロローグ〜大学生になるまでの自分

 ある休日、このブログを一度書き終え、一晩寝かせたカレーのように旨味が増していることを期待して、数日後に読み返してみました。ところが、何か物足らないのです。しばらく考えた後にふと気づいたのは、等身大の自分の姿でした。提出日が迫った平日の夜、YouTubeを流し、アロマキャンドルを焚きながら、再び書き始めました。

自分を一言で表すなら、猫のような性格。そこに行動力が加わります。真面目な性格ですが、マニュアル通りの人間ではありません。多数派の意見に流されすぎず、また縛られるのも好まず、自分の気持ちに正直でいることを大切にしています。

厳格な家庭で育った幼少期、周囲の評価に敏感で、周りに合わせることや自分はどう見られているのかを常に気にしていました。しかし、大学生になって、「自分自身を理解することが、本当の自分を見つける第一歩」ということに気がついたのです。

大学入学時の決断が自分を支える強みを形成

東洋大学の入学時に決めたことが一つあります。それは、サークルには入らないこと。その理由は、自分の興味があるものをサークルなどの集団の中で取り組むのではなく、自分なりのアプローチで試してみて、どんな結果であれ、自分自身でやり遂げたという達成感を味わいたかったからです。

誰かが作ったレールの上を歩きたくないと思うようになったのは、この頃からかもしれません。しかし、かつての「周囲と比較してしまう自分」を完全に克服するのは容易ではありません。自分の決断に自信が持てなくなり、心が折れそうになったことは何度もあります。しかし、この経験こそが私のキャラクターを固め、「これが私だ」と伝えるための軸となり、私を支える「強み」となったのです。

大学卒業後も自己探究の旅を続けて

大学を卒業して十数年が経過し、私は現在、都内の社会福祉関係の職場で相談業務に従事しています。ここに至るまでにもさまざまな経験をしました。例えば国家資格を取得するために学校で学ぶことや、相談職をするためには現場を知らないと意味がないと思い、利用者と一緒に過ごすときもありました。

公私ともに社会人になり、自由を手に入れ、自分のペースで生きてけるはずだと期待していましたが、現実はそう甘くはありませんでした。つまずいた時、自分の心に問いかけてみました。

「周囲と比べて、自分は遠回りしているのだろうか。いっそのこと、妥協すべきなのだろうか?」と。

すると、湧き上がってきたのは、「自分が心から本当にやりたいことは何なのか、それにワクワク感を抱くことができるのか?」という、自分の気持ちに素直になりたいという感情だったのです。何をするにしても、自分の向き合い方によっては、見える景色が変わり、意識次第で大切にしたい人や出来事に出会うことでもできれば、ワクワク感を膨らますことができることに気づき、節目ごとに今の自分に足りない事やモノについて考えた結果として、転職という道に進んだこともありました。

いずれにせよ、たとえ時間がかかったとしても、当時も今も自分が出した答えに後悔はありません。その時々で、自画自賛レベルではありますが、私は出来る限りのことをしてきたつもりです。

モチベーションが低下した時、自分を見失わないための秘訣

時間の経過と共に、世間体が邪魔をして、深く考えすぎることで体調を崩すことがありました。その時、自分は何をやっているのかわからないモードになり、遠回りしているような感覚に襲われました。このモードは、自分のモチベーションが低下しているときによく現れ、いつの間にか強力になり、まるで魔法のように私の行動に影響を及ぼしてしまうのです。気づかずにいると、自分を見失いかねない状況です。

そんな時には、一度立ち止まり、未来の自分を思い起こすことから始めます。年の初めに紙の手帳を購入し、やりたいことや達成したいことをリストアップします。あえて記録することで自分を奮い立たせるモードへ持っていきます。

そして、その日の出来事や感想を手帳に簡潔に記録します。何を書くかは自由で、書き留めることで頭の中が整理されてきます。(たくさん書けば良いものでもなく、率直に感じたことを大切にすることで、毎日の就寝前に書くこともあれば、翌日の朝に書くこともあります)後で読み返すことで、未来の自分を思い出し、現在の自分の思考や言動の傾向を確認することができるので、自分を見失わない方法として続けています。

次に、自分一人の時間を意識的に確保します。気づかないうちに周囲と近づきすぎて疲れたり、自己犠牲的になったりすることを防ぐためです。体調を崩してしまった理由の一つが、相手ファーストで物事を考え、判断していたからです。相手のペースに飲まれていることを自覚しつつも、相手を傷つけないようにとの思いが先行し、自分がやらなきゃいけない、今この場で断ってはいけないと思うことが多々ありました。この経験以降、自分としてのベストを熟慮するようになりました。

時として、直感ですぐにわかることもありますが、納得するまで自問自答することもあります。自分自身に大きな負荷が課せられそうなとき、何か違和感があるとき、相手のペースに飲み込まれかねない問題が生じたときなどは、頭に警笛がなるとともに、自身に対する注意事項が浮かぶので、次の行動に繋げています。

そして、忘れかけていた「将来の自分が何倍も笑顔で過ごせるように」というワクワク感が眠っていたことも思い出すので、脳内の再起動後はWi-Fiのようにいつもアンテナが立って、本来の自分を取り戻すのです。

また、大人になってから、物を探す時に、どこにあるかをすぐに思い出せないのは、物理的な所有物の量が自分の記憶の範囲を超えているからであることに気づき、それがきっかけで断捨離を始めました。

今では、物だけでなく、思考の断捨離・整理もできるようになりました。これらを繰り返すと、自分の好みや傾向が明確になり、新しい楽しみや興奮と出会うこともあります。例えば、乗馬や旅、ミュージカルや舞台の鑑賞、親友たちとの時間、推し活を楽しむことなどが挙げられます。

自分軸を見つけ、前向きな一歩を!

ここまで私の思いを綴ってきましたが、会社に行けば、私も単なる組織の一員 で、特別な権限を持たない普通の社員です。だからこそ、世界中に卒業生がい る中で、私のような普通の卒業生も存在することを知ってもらう機会があって もいいのではないかと考えています。そうすることで、同世代や自分よりも若 い世代が、自分らしさを大切にできる一歩となるのではないでしょうか。

大先輩の方々には「ゆとり世代」と言われ「何を考えているか分からない」と思われがちな私たちではありますが、自分らしさを大事にしつつも、社会の荒波を乗り超えながら、自分なりに今何をすべきかを考えて毎日を過ごしていることを知っていただけると、とても嬉しいです。

最後に、今からでも遅くはないので、ぜひ、自分の中にある自分軸(ワクワク 感やポイント)を見つけ、磨くこと(感度を高め、インプットとアウトプットを繰り返すこと)をお勧めします。SNSが普及し、偽の情報も溢れる中で、正しい情報をキャッチし、見極める力はますます必要となります。

自分一人ではどうにもならない環境にいなくてはならないことや、周囲がうらやましく思うこともありますが、それならば自分から発信したり、新しい環境に一時的に身を置くことや抜け出したりして自分の好きなことを見つけ、増やす時間に費いやす。代り映えのしない毎日だったとしても自分らしく生きることを忘れないでほしい、諦めないでほしいと願っています。未来に向けて一瞬でも前向きに歩むことを大事にすることは、今の自分を愛する、好きになることへつながると思うのです。

このブログを読んでくださった方々が、少しでも温かい気持ちになっていただ ける瞬間があれば、このブログを執筆することにチャレンジすることができて良かった、意味があったと思えます。それでは、今日もお気に入りのグループの歌をイヤホンで聴きながら、新たな一歩を踏み出そうと思います。

2010年度卒業
社会学部社会福祉学科
田尻 祐紀子

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