母校支援

日本の男性は無償労働を行わない?

女性ならではの視点?

そもそも「女性ならではの視点ですね」と言う言葉に常々違和感を感じていたのですが、特にその感覚がはっきりしたのが、昨年9月に内閣改造で過去最多タイとなる5人の女性閣僚を登用した岸田首相の発言が新聞やSNSで物議を醸しだし慌てて釈明する事件が起きた時のことでした。

岸田首相も差別的意識はなかったのだと思うのですが、「女性ならではの感性や共感力も十分発揮していただきながら、仕事をしていただくことを期待したい」とのコメントに対して、「時代錯誤」「男性ならではの感性とは言わないのに」「首相なのにジェンダーバイアスを強化する発言をしないで」等々大きな反響を呼んだのです。確かに男女平等的な視点からは違和感があると思います。

更に、今年になって2024年3月元自衛隊員だった五ノ井さんの米国務省「国際勇気ある女性賞」の授与、同月に国際女性デーに合わせ英国経済誌「エコノミスト」がOECD(経済協力開発機構)主要29か国の「女性の働きやすさ」ランキングが発表され、日本はワースト3の27位との発表がありました。

そしてNHK朝の連ドラ「虎に翼」です。本心では「何故100年前以上に当時文部省が女性の大学入学を認めていない時代に、当時の学長英断で日本初の男女共学の道を拓き、首席で卒業し、日本教育史上初の男子中学教員となった栗山津禰=つね=さんをドラマ化して欲しかった」と思いました。

引用:やまがた再発見
https://syoshi-sai.com/wp-content/uploads/1b2e8f328fbb786e43e24ffde28887f7-3.pdf

【矢口学長が語る日本で初めて男女共学の道を拓く】※東洋大学「TOYOWebStyle」のサイトへ移動します
https://www.toyo.ac.jp/nyushi/column/professor/20160226_01.html

母校の研究に触れて

現在母校では、朝霞キャンパス生命科学部の金子律子医学博士をダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進プロジェクトのリーダーとして「多様性が溢れる大学」を目指しています。皆さんも大学HPで昨年10月に実施された東洋大学SDGs推進センター主催シンポジウムの動画が公開されていますので是非見てみてください。

【2023年度SDGsシンポジウム】※東洋大学ウェブサイトへ移動します
https://www.toyo.ac.jp/sdgs/center/event/2023symposium/

大学HPには様々な知識が溢れており、その中で社会学部の村尾祐美子准教授が執筆されたSDGsニュースレターが目に止まりました。日本は、世界的に男性の「無償労働=家事・育児等」が圧倒的に少ないのです。先生の記事では、内閣府発表で無償労働の約8割を女性が占め、その貨幣価値はGDPの20%相当だそうです。この根源について村尾先生は、「男性は仕事、女性は家庭」という考え方が無意識下に作用しているとされていました。思わず女性活躍が進めば、もっと社会は良くなるであろうと痛感した次第です。

卒業生にできること

現在私はご縁もあり、一般社団法人東洋大学校友会で唯一の女性理事を務めております。正直、高齢の男性理事の中には、まだまだ昭和から抜け出られない方も多々おられ苦笑することもあります。

校友会では、現在積極的にICT化を推進しており、女性比率が高くなってきた母校に様々な貢献が出来るのではないかと考えています。今回のD&I推進プロジェクトでもジェンダー平等でも、研究のお役に立てるアンケートや、実践知の収集、さらに卒業生がモニターで参加するなど、多少なりとも母校や在学生に対して貢献できることもあるかと思います。

女性の社会での経験が少しでも役に立てるのであればと現在思案中です。もし、今回のブログを読んで「こんなことはどうでしょう」というアイデアがありましたら、是非このメールに返信ください。今後、皆様の声を聴きながら、是非ご一緒に母校を応援できたらと考えておりますので、宜しくお願い申し上げます。

1982年 経済学部卒
岡部 奈緒美

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