母校支援

未来への襷(たすき)~「他者のために自己を磨く」新時代の校友ソサエティへ

激動の時代に、不動の「哲学」を

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
全国36万人の校友の皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのことと拝察いたします。
2026年の幕開けにあたり、まず私たちの眼前に広がる世界に想いを馳せるとき、そこにはかつてない「不透明さ」が横たわっています。国際情勢の緊張、環境問題の深刻化、そしてAIを始めとするテクノロジーによる社会構造の激変。

既存の価値観が揺らぎ、分断すら危惧されるこの時代において、私たちは何を道しるべとして進むべきでしょうか。私は確信しています。今こそ、母校・東洋大学が脈々と受け継いできた「哲学」が、闇を照らす光になると。

創立者・井上円了先生はかつて「活動の中で奮闘する」ことの尊さを説かれました。哲学とは、静寂の中で思索にふけることではありません。現実社会の荒波の中で、課題に立ち向かい、汗をかき、行動することこそが生きた哲学です。そして、その行動の根底にある精神こそが、「他者のために自己を磨く」という利他の心です。

私たち東洋大学の校友一人ひとりが、それぞれの場所で社会のために奮闘し、自己を磨き続けること。それこそが、混迷の世に対する我々の回答であり、母校のプレゼンスを世界に示す最大の力となります。 

「親睦」を超え、「成長」するソサエティへ

校友会は今、大きな変革の時を迎えています。
学祖井上円了先生が創設され長きにわたり先輩諸氏が築き上げてこられた「親睦」の絆は、私たちの宝です。しかし、令和という新しい時代において、校友会はさらにその役割を前進させなければなりません。

私が掲げるビジョンは、「新しい時代の魅力ある校友ソサエティ」の実現です。

それは、単に過去を懐かしむだけの集まりではなく、世代や地域、職域を超えた多様な校友が集い、互いに知見(実践知)を共有し、切磋琢磨することで、校友自身が成長できる場です。そして、その成長のエネルギーが母校の支援へと還元され、大学の興隆発展に寄与する。そのような「成長と貢献の好循環」を生み出すコミュニティこそが、私の目指す姿です。

すでに新しい芽は息吹いています。
グローバルに活躍する校友をつなぐネットワークの構築や、専門職の知見を活かした在学生支援など、従来の枠組みにとらわれない活動が始まっています。これらはまさに、「活動の中で奮闘する」校友たちの姿そのものです。 

未来へ「襷(たすき)」を渡すために

そして本年、2026年は、私たちにとって極めて重要な意味を持つ一年となります。それは、「次世代へ確かな襷(たすき)を渡す」ための土台を完成させる年だからです。

箱根駅伝で母校の選手たちが懸命につなぐ襷。あれは単なる布切れではなく、前走者の汗と想い、そして次走者への信頼と希望が込められた「魂の結合」です。校友会もまた、同じです。

130年を超える歴史の中で先輩方が守り抜いてきたこの襷を、私たちは今、しっかりと握りしめています。しかし、時代は変わりました。少子化、価値観の多様化が進む中で、この襷を次の世代―今の在学生や若手校友たち―が「受け取りたい」「つなぎたい」と思えるような、強く、魅力的な組織にして渡さなければなりません。

そのためには、校友会自体が、母校にとって、そして社会にとって「絶対不可欠な存在」であることを、行動と成果で実証し続ける必要があります。

財政基盤の強化を含め、持続可能な組織体制を盤石なものとし、若い世代が希望を持って参画できる環境を整えること。それが、今この時代に校友会を預かる私たち現役世代の最大の責務であり、本年、不退転の決意で挑む最重要課題です。

 共に、新しい景色を

「東洋大学の卒業生でよかった」
「校友会があってよかった」
そう心から思えるソサエティを、皆様と共に創り上げたい。

校友会は、大学の応援団であると同時に、校友一人ひとりの人生の応援団でもあります。
どうか皆様、本年もそれぞれのフィールドで「他者のために自己を磨く」日々を送りながら、その知恵と情熱を校友会というプラットフォームに持ち寄ってください。

皆様の「奮闘」が結集したとき、東洋大学校友会は、世界に誇れる最強のコミュニティへと成長すると信じています。母校のさらなる飛躍と、校友の皆様のご健勝、ご多幸を心より祈念し、新年のご挨拶といたします。
今年の「丙午」は飛躍を象徴とする年です。共に、未来へ飛躍しましょう。

2026年元旦
一般社団法人東洋大学校友会
会長 神田 雄一

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